2015年12月30日

大道詰将棋の新たな筋の探求「角香問題(双玉)」

双玉の問題を作成している中で興味深い局面を見つけたのでここに記します。
また以下で記すのは基本的な不詰筋だけですので、その点ご了承ください。

もっとも基本的な形は以下の図。


(基本図)

さてこの図、簡単に詰みそうに見えるのですが不詰です。
▲7三角成と王手を受けながら香車で空き王手すれば相手玉は受からないように見えますね。
ただ詰将棋好きならすぐに気づくと思いますが、この形はかの有名な香歩問題に酷似しています。
そう、ここでは8三の地点に中合いをすることで▲8三香成を防ぐのが手筋です。
ただし、この形は普通に△8三歩(図-1)の中合いが正解。というより歩以外では詰んでしまいます。


(図-1)
その理由は少し進めると分かります。

▲同香生△9二玉▲8二香成△9三玉▲8三成香△9四玉(図-2)


(図-2)

さて、この局面がなんと打ち歩詰め!(▲9五歩は反則のため出来ません)
しかしこのまま▲8四成香では馬の効きの陰からすり抜けられてしまいます。

もし歩以外の駒で中合いしていたら、
この局面で1手詰みになるのがわかりますね。

では歩の中合いを出来ないようにしましょう。


(図-3)

これで詰みますね。
いえいえ、詰まないのです。
今度は△2三桂合(図-4)とされてしまいます。

(図-4)

以下進めるとこうなります。


(図-5)

なんと見事に玉方の歩が邪魔で桂馬が打てません!
これは失敗です。

ではこんな図はどうでしょうか。


(図-6)

基本図に玉方の飛が増えただけでなにか変わるのでしょうか。
基本手順を進めてみましょう。

▲7三角成△8三歩▲同香生△9二玉▲8二香成△9三玉▲8三成香△9四玉(図-7)


(図-7)

基本図ですら詰まないのに相手の飛車までいたら詰むわけない!
と思うでしょうか。

実はその逆で、これは詰んでしまうんです。
さきほどは打てなかった▲9五歩がこの図では打ててしまいます。

そして△同飛▲8四成香(図-8)でぴったり捕まっています。


(図-8)

相手を強くしたほうが詰んでしまう、打ち歩特有の現象ですね。


では、(図-6)は詰みなのか?
実は玉方に恐ろしい受けがありました。
ではみなさんもここで少しお考え下さい。これに気づいた方は相当な詰め棋力の持ち主かと。


(再掲図-6)






























それは△8三角合!(図-9)


(図-9)

そんな馬鹿な…と思いますが、
これで詰みません。

以下進めてみましょう。

▲同香生△9二玉▲8二香成△9三玉▲8三成香△9四玉(図-10)


(図-10)

なんとここまで来ると有効な王手が▲7六角しかないことに気付きます。
そこで△8五桂!(図-11)がさらに限定合で逃れているのです!


(図-11)


▲同角△同飛では8筋に飛車が来たせいで桂馬を打てません。
かといってこれ以上追求する手もありません。

よって(図-6)は角桂の二段限定合で逃れ図だったのです。

こうした中合いの種類や逃れ方は周辺の駒配置でかなり変わってくるため、
大道詰将棋にはもってこいの題材なのではないかと思います。


みなさんも気になる変化があればぜひ作ってみてください。
posted by Justice at 18:30| Comment(0) | 詰将棋研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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