2014年03月26日

第63期王将戦 第七局 1日目「羽生善治三冠vs渡辺明王将」【ゴキ中ミニ講座付き】

2014年3月26日、第63期王将戦七番勝負の第七局の一日目の対局が行われました。
先手は挑戦者の羽生善治三冠、対して後手は現タイトル保持者である渡辺明王将。

決着局という大一番で羽生三冠の先手でしたので、矢倉になるのかなと思っていましたが、
なんと渡辺王将が選択したのは第四局に続きゴキゲン中飛車でした。

ゴキゲン中飛車は後手番で振り飛車党に人気のある戦法で、
▲7六歩、△3四歩、▲2六歩に△5四歩(参考図イ)と突く手から始まります。

(イ図)

いきなり5四歩を突くと5三の地点の空きが気になりますが、
▲2二角成、△同飛に▲5三角の打ち込みは△4二角(参考イ図)で受かっています。

(参考イ図)

先手の2六歩が邪魔で馬が作れませんね。

そして▲2五歩には△5二飛車(ロ図)と回ります。

(ロ図)
角道を開けっ放しで2筋も受けないで5筋に飛車を回る。
この豪快さがゴキゲン中飛車と呼ばれる所以でしょうね。

さて。先手は飛車先の歩が交換できそうですが…。

試しにやってみましょう。
▲2四歩、△同歩、▲同飛車

簡単に歩交換できて居飛車楽勝!と思いきやここでゴキ中の反撃です。
△8八角成、▲同銀、△3三角(参考ロ図)

(参考ロ図)

さぁ、飛車銀両取りです。
銀取りを構わずに▲2一飛成ですと、△8八角成

この局面は銀を手に入れた後手が有利です。
先手は1一の香車が取れず、次に△2二馬で龍を消されても先手勝てないでしょう。

というわけで、▲2八飛と落ち着いて引いて受かったと安心していけません。
後手の反撃の妙手があります。
それは△2六歩(参考ハ図)と垂らす手です。


(参考ハ図)

▲同飛はもちろん△8八角成。
かといって歩成を受けようと▲3八銀や▲3八金も飛車筋が消えるので△8八角成。

銀取りを受けようと▲7八金とすると△2二飛車(参考ニ図)と2筋を逆襲されてしまいます。

(参考ニ図)

こうなっては何のために歩交換したのか分かりませんね。
というわけで、いきなり歩交換は居飛車が不利なのでできません。

そこで落ち着いて▲5八金右や本譜の▲4八銀などと5筋を受けておくのが定跡です。
対して後手は△5五歩と中央の位を取るのが普通で、ここで2四歩を突いていくのがゴキ中の超急戦と呼ばれる変化です。
▲4八銀型は先手が不利とされていますが、▲5八金右の場合はまだはっきりした結論は出ていないように思います。

ただ先手としても超急戦をするようなリスクを負わなくても別の指し方で十分やれると考えているので、
あまり超急戦に進むことはありません。



さて本局16手目の4四銀(ハ図)までは第四局をなぞり、17手目で羽生三冠が手を変えました。
第四局では5八金右としましたが、今局は7八玉。
中央の守りよりも玉の囲いを重視した一手で、
今考えるとこのあとの展開を予想させる手でしたね。

(ハ図)

>>王将戦第四局の棋譜はコチラ(棋譜でーたべーす)

前回は急戦を選択した羽生三冠でしたが、今局はじっくりと穴熊に組む方針を選ばれましたね。

21手目▲7七角(ニ図)が持久戦を目指した一手で、居飛車は8八角が動かさないと深く囲うことが難しいため、振り飛車よりも囲いに手数がかかる特徴があります。


(ニ図)

その後囲い合いが続きますが、後手の40手目△5一角(ホ図)に羽生三冠は▲3五歩と仕掛けました。

(ホ図)
後手の角が7三などに展開しないうちに勝負を仕掛けた格好ですね。

先手の穴熊は完全ではありませんが、6八と6九の金が並んだ形は十分しっかりしています。

twitterでは先手持ちの声もありました。



封じ手の局面は46手目△4五銀に対して47手目の羽生三冠の手となりました。

(封じ手図 46手目△4五銀まで)

注目は後手の8五歩が生きるのか、というところでしょうか。
終盤で△8六歩、▲同歩に△8七歩のような攻めの権利が強いか、
8四の空間に▲8四香や▲8四桂といった手が強いか。

封じ手予想ですが、本命は▲3四銀でしょうね。もしくは▲4六銀。
どちらにしても銀を交換しにいく手順が有力そうです。
後手も△4五銀と躱したからには銀は交換したくないということでしょうから。

ただ後手もすぐに△5六歩とは攻められないので、
銀以外の駒を動かすのかもしれません。

ちなみに今期の王将戦では封じ手に不思議なジンクスがあるようです。
それは全局封じ手をした方が負けるというものです。


局   封じ手(手数) 勝敗
第1局 羽生(88手目) 渡辺勝ち
第2局 羽生(39手目) 渡辺勝ち
第3局 渡辺(49手目) 羽生勝ち
第4局 渡辺(48手目) 羽生勝ち
第5局 羽生(66手目) 渡辺勝ち
第6局 渡辺(48手目) 羽生勝ち
(「王将戦中継ブログ」より)

注目の封じ手は一体何なのか、そして封じ手ジンクスを羽生三冠は破れるのか、
明日の2日目にも要注目です。

明日のニコニコ生放送は解説が久保利明 九段、聞き手が藤田綾 女流初段です。
ぜひ生で、もしくはタイムシフトでご覧下さい。


*局面図は「shogipic.jp」を用いて作成させて頂きました。



[参考棋譜]
先手:Bonanza_v6.0
後手:Bonanza_v6.0

封じ手以降
▲3四銀 △同 銀
▲同 飛 △6五銀 ▲3六飛 △7五歩 ▲同 歩 △7六歩 ▲6六角 △同 銀
▲同 飛 △5六歩 ▲同 歩 △3六角 ▲5八金寄 △3三角 ▲5五銀 △2七角成
▲7四歩 △2八馬 ▲6三飛成 △2九馬 ▲7三歩成 △同 銀 ▲8三銀 △7七桂
▲同 桂 △同歩成 ▲同 銀 △7六歩 ▲同 銀 △5五飛 ▲同 歩 △1九馬
▲7二歩 △5五馬 ▲6六桂 △8二金 ▲7一歩成 △8三金 ▲6一飛 △8二玉
▲7二と △9三玉 ▲8一飛成 △8二桂 ▲7五桂 △6六馬 ▲同 歩 △同 角
▲同 龍 △8八銀 ▲同 玉 △9七銀 ▲同 香 △7四金 ▲8三桂成 △同 玉
▲7三と △同 金 ▲7二角 △同 金 ▲8四銀 △同 玉 ▲8二龍
まで111手で先手の勝ち
posted by Justice at 21:00| Comment(0) | プロ棋戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Jの必至-1

※必至とは…次にどう指しても即詰みになる状態のことです。例えば3手必至とは、王手もしくは詰めろの連続で3手後に必至がかかる問題のことを言います。


[3手必至]美濃囲いの玉を一気に必至に追い込みましょう。


*問題の表示にあたっては「kif2swf」を利用させて頂いております。


>> 解かれた方はぜひ感想やアドバイスなどをコメントで残してください(^ ^) <<


▼モバイル端末用

*「shogipic.jp」を用いて作成させて頂きました。


答えはずっと下にあります。






































▲2二銀 △1二玉 ▲3二飛成
まで3手で先手の勝ち



次の▲2一銀打が受かりません。

[参考]初手▲4二銀の場合


次の▲4一銀不成で必至になりますので、何か受けなくてはなりません。

・後手の応手@ △同金
▲同飛成(図イ)の局面が必至になります。

(図イ)

2二金と3一金の詰み筋を受けることができません。後手失敗です。

・後手の応手A △5二歩
▲4一銀成に△2二桂(図ロ)が必至の抵抗ですが、▲3一金、△1二玉、▲2二桂成、△同玉、▲3二金以下詰みとなり、
これも失敗です。

(図ロ)

・後手の応手B 1二玉
▲4一銀不成に△2五桂が脱出路を作る好手、以下▲3二飛成に△1三玉(図ハ)で脱出成功。
ちなみに2五桂が先でも同じ結果になります。

(図ハ)

と思いきや、3二飛成がココセで、実際は▲2四金(図二)と退路封鎖をされて必至になります。

(図二)
同歩に3二飛成で詰みです。

後手の応手C(最善)△3四歩
(図ホ)

桂馬を取ることで攻めを細くします。
以下、▲4一銀歩成に△3一金(図ヘ)と受けてなんとかなりそうです。

(図ヘ)

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