2014年03月17日

第39期棋王戦 第三局「渡辺棋王vs三浦九段」

2014年3月16日、第39期棋王戦の第三局が行われました。
先手はすでに2勝している渡辺棋王。

kiou.jpg
対局開始時の様子。左側が挑戦者の三浦弘行九段、右側が渡辺明棋王。
中央の立会人には加藤一二三九段がいらっしゃいます。

注目の戦型は第一局と同じく横歩取りとなり、
22手目の時点(図イ)でその第一局と同一局面に進みます。

(図イ)
>>第一局の棋譜はコチラ

ここで渡辺棋王が前局の▲5八玉から手を変え、▲6八玉としました。
6八玉型では3八銀との組み合わせが形となり、5八玉-4八銀型に比べると5七の地点が弱くなる面があります。
今局で5八玉-4八銀型を避けたのは、早い段階での△2四飛ぶつけを警戒したという理由があるのかもしれません。

仮に図イから▲5八玉、△5一金、▲4八銀などと進んだ時に2四飛とぶつけられた場合(図ロ)、
2五歩と謝るのはなんだかくやしいですし、かといって同飛、同角の局面では、
4八銀と上がっているために2筋の空間を突かれやすく、
逆に後手は飛車打ちの隙がないために戦いやすいのではないかという見方も出来そうです。

(図ロ)

さて、どうやら本局の勝負の分かれ目になったのは68手目(図ハ)、
5一に銀を引くか、飛車を打つかの二択でした。

(図ハ)

本譜では△5一銀以下進んで▲7九金(図ニ)と引く手が好手で、
同馬に▲8三歩から渡辺棋王が三浦玉を見事な即詰みに討ち取られました。

ちなみにうちの「bonanza_v6.0」は▲7九金も▲8三歩以下の詰みも発見できませんでした(´・ω・`)
(図ニ)

▲7九金についての渡辺棋王の発言(棋王戦中継plusより)。
―― 最後の▲7九金が非常にいい手ではないかと評判でしたが
「金引きは、あの局面になれば狙っていました。まあ、わからないですけど、それで勝ちのような気がしました」


▲7九金の意味は、「ただやん」と見せかけて△同馬と取った時に、
馬の効きが7五〜8四のラインから逸れるという点にあります。
これによって後手玉を詰ますことが出来た訳です。
しかし、この金が取れないとなると、6九銀が空振りになってしまい、
結局は攻め合いでも勝てないということですね。

終局は▲8三銀成(終局図)まで、85手で渡辺棋王が3連勝で棋王初防衛を決められました。
(終局図)

終局図以下は△同玉、▲6一馬、△7二銀、▲9五桂、△8四玉、▲7五金、△9五玉、▲9六歩、△同玉、▲8七銀(図ホ)、
といった順で詰みです。
(図ホ)

勝負の分かれ目になった68手目で、
仮に△5一飛(図ヘ)としていればどういう展開だったかを最後に書いておきます。

(図ヘ)

△5一飛には▲5二桂成とし(同玉は▲4三角成で詰み)、△7一玉に▲5一成桂として飛車を取ることができます。
この瞬間に後手から反撃が始まり、△7八銀成、▲8六玉(▲同玉は詰み)、△6八馬、▲7七銀、△同成銀、
▲5二成桂のときに△5一金(図ト)と捨てるのが好手で、後手に桂馬を渡すと先手玉が詰んでしまうため、
どうにも先手の攻めが上手くいかないとのことです。

(図ト)

銀と飛車、どちらを捨てるかという局面で飛車を犠牲にした方が良かったとは、
やはり将棋は奥深いと感じさせられますね。

>>公式の棋譜中継はコチラ

*図面画像は「shogipic.jp」を用いて作成させて頂きました。
**図面画像の転載は自由ですが、転載元の併記をして頂けるとありがたいです。



将棋の棋譜でーたべーす」より棋譜引用
開始日時:2014/03/16 09:00
消費時間:85▲201△239
棋戦:第39期棋王戦五番勝負 第3局

場所:富山県黒部市「宇奈月国際会館セレネ」

持ち時間:各4時間

手合割:平手

後手:三浦弘行

先手:渡辺明棋王

手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 8四歩(83)
5 2五歩(26)
6 8五歩(84)
7 7八金(69)
8 3二金(41)
9 2四歩(25)
10 同 歩(23)
11 同 飛(28)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 3四飛(24)
16 3三角(22)
17 3六飛(34)
18 8四飛(86)
19 2六飛(36)
20 2二銀(31)
21 8七歩打
22 5二王(51)
23 6八王(59)
24 6二銀(71)
25 3六歩(37)
26 7二金(61)
27 3八銀(39)
28 8六歩打
29 同 歩(87)
30 同 飛(84)
31 3五歩(36)
32 8五飛(86)
33 3七銀(38)
34 8六歩打
35 3三角成(88)
36 同 桂(21)
37 8八銀(79)
38 3五飛(85)
39 2八飛(26)
40 8七歩成(86)
41 同 銀(88)
42 8六歩打
43 9八銀(87)
44 4五桂(33)
45 4六銀(37)
46 2七歩打
47 同 飛(28)
48 3八角打
49 2四飛(27)
50 4九角成(38)
51 3五銀(46)
52 4八馬(49)
53 4六銀(35)
54 5七桂成(45)
55 同 銀(46)
56 5八金打
57 7七王(68)
58 5七馬(48)
59 3三歩打
60 3一金(32)
61 1六角打
62 6九銀打
63 2二飛成(24)
64 同 金(31)
65 4四桂打
66 6一王(52)
67 4一飛打
68 5一銀(62)
69 4三角成(16)
70 7一王(61)
71 5一飛成(41)
72 8二王(71)
73 7九金(78)
74 同 馬(57)
75 8三歩打
76 9二王(82)
77 8一竜(51)
78 同 王(92)
79 8二銀打
80 9二王(81)
81 8一銀打
82 8三王(92)
83 7二銀(81)
84 8四王(83)
85 8三銀成(72)
86 投了
まで85手で先手の勝ち
posted by Justice at 07:30| Comment(0) | プロ棋戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする